ハルツ山地(ハルツさんち、Harz)とはドイツ中央部、北ドイツ低地と南側の山地地域との境界に位置する山地。エルベ川とヴェーザー川の中間に位置する。北側を南東―北西方向の断層で切られた長さ90km、幅30kmの地塁山地で、北西部は高ハルツ(平均標高640m)、南東部は低ハルツ(平均標高305m)とよばれる。最高峰は高ハルツにあるブロッケン山(1,142m)で、豊かな森林と牧草が両ハルツの斜面をおおっている。低ハルツには肥沃な高原がある。
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古生代のグレーワッケ(硬砂岩)、結晶片岩、珪岩、花崗岩などからなるが、山地の形成は新生代第三紀の地殻運動によるもので、ところどころに火山岩類の貫入がみられる。山地は鉱産物に富み、岩塩、鉄鉱石、銅、鉛、銀、カリ塩など多種の鉱石が採掘され、10世紀以来鉱業が盛んに行われてきたが、現在は大きく後退してしまった。北麓のゴスラーは中世より鉱山都市として栄えた(ランメルスベルク鉱山およびゴスラーの歴史都市は世界遺産となっている)。
以前から高原保養地の機能を持っており、ウィンタースポーツも盛んで現在は観光業が重要である。
この地域ではキリスト教以前の伝統や伝承がドイツのほかの地方よりも長く生きつづけた。こうした伝統は多くの伝説のもとになり、ドイツ文学に題材を提供した。ブロッケン山を舞台とする「ワルプルギスの夜」の伝説は、ゲーテの「ファウスト」にもとりいれられている。